
謹んで震災のお見舞いを申し上げます。
当クリニックのホームページをご覧抱き、誠にありがとうございます。
私は三谷町時代にこの地に生まれ、鷹番小学校、麻布学園と学童期をこちらで過ごしてまいりました。その頃、日本はまだ戦後の名残を残しながら、東京オリンピック、新幹線、成田闘争、60・70年安保、沖縄返還、万国博、光化学スモッグ、列島改造論、一億総中流意識等々、まさしく激動の世。良くも悪しくも今とは全く違う時代にありました。
翻って現代は、皆様ご実感のように、永田町、霞が関の変化は著しく、政治も経済も民意も、気候も地殻変動も、日本、アジア、世界、地球レベルで危機感を覚える日々をお過ごしではないでしょうか? 長い不況、雇用状況の劣悪化、ニート、格差社会化、ワーキング・プア、自殺率の増加、全年代にわたる各共同体でのハラスメント、家庭内でのDVやネグレクト、PDD(広汎性発達障害)の成人例の問題、適応障害や抑うつ症候群の急増・・・少し以前、例えば「あやクリニック」を始めさせていただいた2003年頃には、専門家、専門医だけの懸念事項が、今では一般の方々もご存知で、日々論じられる状況もあるのではないかと思います。メンタルクリニック・向精神薬との距離感もだいぶ変わってきておられるでしょう。これらはネット社会の恩恵でもあるわけですが、こうした情報過多の二面性に向き合うことを、時代は求めているように感じます。
私は、これまでさまざまな立場で、精神科病院医療の前線に携わってまいりました。
ダイレクターでしたので、クライアント〜ご家族〜アウトリーチセクション〜中間施設〜自治体組織とのコーディネーターも恒常的に行ってまいりました。一方、「未投薬・50分」の精神分析的精神療法も、長期間一貫して手掛けてまいりました。
今回、より身近にクライアントの方々の声をお聞かせいただければと考え、街中でクリニックを開業いたします。どのような問題にも真摯に対応して行きたいと思います。
皆様の懸案事項に立ち会わせていただくことが出来れば幸いです。
よろしくお願い申し上げます。
吉井岳彦